ブり大根と思い出

「ブリ起こし」って言葉ご存知でしょうか?
北陸では、晩秋から初冬にかけて、
天が壊れて落ちたかと思うような雷鳴とともに、
恐ろしいほどの強風が吹き荒れ、アラレやヒョウが降ります。

私が小さい頃、
「これはブリ起こしや。海の底で寝ているぶりが雷に驚いて上がってくるから旨いブリがたくさんとれる」
と家族に教えられました。

本当かどうかはわかりませんが、
雷の後、不思議とブリがたくさん獲れるので、ブリ起こしと呼んでいるそうです。
しかもこの頃のブリは「寒ブリ」といって、
特に身が引きしまり、脂がのっていて絶品なのです。

金沢ではこの時期になると、
結婚した初めての年に、お嫁さんの実家から嫁ぎ先へ、上等な寒ブリを丸々一本贈ります。
頂いたほうは、その半身を、実家へお返しする「半身返し」をします。
ブリは成長するにつれ名前が変わる出世魚なので、贈る意味はわかるのですが、
なぜ「半身返し」をするのか、私には未だに謎です。

それはさておき、
私も北陸の寒ブリは脂がのっていて大好きな魚です。
なかでも、北陸名物「ブリ大根」は、私の大好物。
ブリのアラと大根を、生姜を加えてじっくりと煮込むのです。
アラの部分の美味しさと、ブリの旨味が浸みこんだ大根、
それはそれは、言い尽くせないほどの絶品です。

さっそく寒ブリのアラを買いに!
残念ながら売り切れだったので、カマの部分を求めました。
臭みとしつこさを取るため一度湯がいてから、
大根、生姜、醤油、味醂、酒などで甘からく時間をかけて煮込みます。

魚独特の生臭さが家じゅうに籠もりますが、
やはり、ブリ大根はいつ食べても美味です。
残ったものは冷蔵庫に入れておくと、にこごりができます。
崩れた身がゼラチン層で固まった、栄養満点の今でいうジュレです。
これもブリ大根の楽しみの一つです。

主人がクスッと笑いました。
どうしたの?
うん、ヤスメを思い出した。

昔飼っていた猫のヤスメのことです。
酒井啓子洋裁教室のホームページもご覧ください

リクライニングの座椅子で、丁度いい体勢で座っている主人のひざの上に、チョコンと座り、顔を洗い始めます。
地方のはやり歌?
 ♪~ネ~コ~ ネ~コ~
   顔洗い~ 顔洗い~
   耳か~ら~ 引っ掛~け~て~
   顔洗い~ 顔洗い~ ♪~
の通り、本当に口元から耳に掛けて顔を洗うのです。
暖かくなると、腹ばいになって、主人の顔を見ながらフワ~ッとあくびをします。
美味しい魚のにおいが主人の鼻のあたりをフワ~ッと横切ったそうです。

ブリ大根で、懐かしい一駒を思い出し、ほっこりとしたひと時でした。(* ´ ▽ ` *)

suyasuya[1]

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